奴が来た

Image by Kerstin Riemer from Pixabay

ゴキブリの話なので食事中の方はスルーしてください。

 昨夜居間でごろんと横になりテレビを見ていたら、アポなしで奴が現れた。なぜだろう1年に1回時期不詳で家宅侵入されるが、ここはマンションの4階である。にも関わらずどこからお越しになるのか奴は侵入してくるのである。

 はじめて奴を目撃したのは2年前のこと。仕事から帰宅したら、台所に置いてある電子レンジの上に置いた放置状態のポンカンに、奴がへばりつくようにして気持ちよさ気にバカンスを楽しんでいた。ところが、わたしがにゅっと現れたものだから、奴は右往左往して慌てて電子レンジの裏から内側に入っていったんだよなぁ。

 そして、わたしが電子レンジのスイッチを入れたら、見えない裏側内部で閃光を発し、ピシピシビシッ! って音がしたっけ。果たしてその音が奴の生死に関わるものだったのかは分からないが、それっきり奴は消息不明になった。

 意外にわたしは食べ終わった食器を流しの水につけっぱなしにして、「翌朝洗おっと」なんてことはしない。即洗う。カップ麺のカップもフードパックも食べ終わったら、必ず水洗いをしてから捨てる。生ごみはなるべく出さないように心がけている。

 これらは、すべて奴対策なのである。放置状態だったポンカンも腐っていたわけではない。消費期限はあるけど賞味期限が過ぎたね、だった。

 この一件があり、わたしは奴が行方知れずとなった翌日、ゴキジェットプロのノズル付きの大っきいほうを常備し、台所の四隅と流しの下の収納スペースとベランダ入口と奴が通りそうなところにコンバットを設置したのである。

 しかし、奴は昨年も現れたのである。このときはゴキジェットプロの一撃、ゴキ汁ブシャー! で退治したっけ。

 そして昨夜、奴は今年も現れた。時期不詳の年中行事にでもするつもりなのだろうか。奴はベランダ掃出窓のカーテン後ろから蛍光灯に向かって羽ばたき、蛍光灯の回りをハタハタと2回半周回してベランダ掃出窓にハンガーで吊るしていたシャツの肩口に着地してコソコソとカーテンとシャツの間に身を潜めた。

 わたしにとっては、ありがたくも嬉しくもないとんでもない「暑中お見舞い申し上げます」である。キミとは一生音信不通でいいから。わたしはゴキジェットプロの吹出口にノズルを装着して、奴がシャツの肩口から顔を出したところをゴキ汁ブシャー! 床に転げ落ちたところをゴキ汁ブシャー!

 ムムッ、今回の奴は手強いぞ、もんどり打ちながらテーブルの後ろに隠れようとするので、ゴキ汁ブシャー! それでもテーブルの後ろに隠れ、バタバタカサカサともがき苦しむ音が聞こえたので、ゴキ汁ブシャー! で、とどめのゴキ汁ブシャー! おまけにゴキ汁ブシャー! 奴の姿は見えなかったが、音が聞こえなくなったので直に死ぬだろうと探すことはしなかった。

 でもね、今朝になったら、とどめを刺したであろう場所とは別のところで仰向けになって息絶えてましたよ。断末魔の奴ってすご過ぎる。

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