ハングル:濁音の発音

Image by Kerstin Riemer from Pixabay

わたしは過去に韓国人男性数人と仕事をしたことがあるが、その中のひとりに日本語会話のイントネーションを除けば、流暢できれいな発音で話す韓国人がいた。

彼とは飲みに行ったり、旅行にも行ったことがあったが、知り合いはじめてからしばらくして、ふとあることに気がついた。彼は、「全然」を「じぇんじぇん」、「全部」を「じぇんぶ」、「ございます」を「ごじゃいます」と、発音するのだ。

わたしが「『じぇんじぇん』じゃなくて『ぜんぜん』」と、教えると彼は、「ぜんぜん…ぜんぜん…」と発音を確かめるように直していたが、しばらく絶つとまた「じぇんじぇん」に発音が戻っているのである。

冒頭で記したとおり、彼は流暢できれいな日本語を話すのに、何でこの単語だけは正しく発音できないんだろうと思い、ネットでハングルを調べると、驚きの事実が分かったのである! と、大げさになるほどではないが、なるほどねと思った。

ハングルには “z” ではじまるローマ字表記がないのだ。「ざ」と「じゃ」、「ず」と「じゅ」、「ぜ」と「じぇ」、「ぞ」と「じょ」のローマ字表記は共に “d” ではじまっていた。

・자:ざ・じゃ[dʒa]
・지:じ[dʒi]
・주:ず・じゅ[dʒu]
・제:ぜ・じぇ[dʒe]
・조:ぞ・じょ[dʒo]

つまり、「za(ざ)・zu(ず)・ze(ぜ)・zo(ぞ)」も「jya(じゃ)、jyu(じゅ)、jye(じぇ)、jyo(じょ)」と、発音してしまうのだ。

韓国人スナックの女の子は「ありがとうごじゃいました」と、言うし、日本の警備会社のCMに出ていたペ・ヨンジュンも、「あなたとかじょく(家族)のすべてを守るなら、だんじぇん(断然)セコム!」と、発していたし、数年前、韓国のニュースで大リーガーになった松井稼頭央が取り上げられたことがあったが、アナウンサーでさえ「かじゅお」と、繰り返し言っていたなぁ。

韓国生まれの評論家・日本研究家で日本へ帰化した呉善花(オ・ソンファ)氏も日本語読みではなく朝鮮語読みのまま「オ・ソンファ」と名乗っている理由について、朝鮮語にはない「濁音」が苦手で、自分の名前の日本語読みの「ご・ぜんか(呉善花)」を上手く発音できないためと説明している。(Wikipedia「呉善花」より引用)

なお、この発音は中国吉林省などの中国東北部の朝鮮族が多い地域出身者にも見受けられる。

 

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