ほっかいどう

Image by Kerstin Riemer from Pixabay

 高3の授業中での思い出。自習だったが、わたしの左斜め後ろに座っていた女子から、
「上唇と下唇をつけないで “北海道” って言える?」
 と、聞かれたことがあった。

 わたしは、上唇と下唇が接触しないように唇を尖らせて、
「ほっかいどう」
 と、言ったら、その女子に爆笑されたのだが、破裂音を含まない “ほっかいどう” は、上唇と下唇が触れ合うことなく発音できるのである。つまり、そのことを知らない人がどんな表情で “ほっかいどう” を発音するのかを楽しむいたずらなのである。

 こう言ういたずらは、やられたら誰かにやってみたくなるのは、世の常、人の常。早速、放課後担任にやってみたら、わたしと同じように唇を尖らせて、「ほっかいどう」。

 種明かしをしたら、ムッとして無言で立ち去り、次に理科の教師にやってみたら、上唇と下唇を付けないように、ニッとした顔をして歯をむき出し、「ほっかいどう」。こちらに種明かしをしたら、真顔になり無言で立ち去って行きましたよ。

 職員室でふたりは、わたしにやられたと、悔しがったそうだ。

 先日のクラス会でも友人に、
「上唇と下唇をつけないで “北海道” って言える?」
 と、聞いたら、
「何それ?」
 って表情をして一瞬固まっていたが、今でもこのいたずらを知らない人はまだまだいるようだ。

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