入力端子と出力端子がこんがらがる

 先週の土曜日、我が家にオーディオ機器(VICTOR EX-B3)とレコードプレーヤーが届いた。34年間勤めた会社を退職した妻が、がんばった自分へのご褒美として、戎橋の欄干から道頓堀川に飛び込む勢いで衝動買いしたのだ。

 翌日、開梱してEX-B3のセッティングをはじめたのだが、レコードプレーヤーに取り付けられているオーディオコード(赤白のコード)は、EX-B3の入力端子と出力端子のどちらへ挿せばいいのか戸惑い、軽い頭痛を覚えたのである。

 正解は、EX-B3の入力端子へ挿せば、レコードプレーヤーの音声がEX-B3のスピーカーから出力される。

 要は、外部機器の音声をEX-B3で聴きたい場合は、外部機器の出力端子とEX-B3の入力端子をオーディオコードで繋げればいいただけのことなのだが、わたしはこの手の作業をすると、いつも入力端子と出力端子のどちらへ挿せばいいのか混乱するのである。

 原因は33年前へ遡る。わたしは21歳の時、知識も経験もセンスもないズブの素人として、ソフトウェア開発の会社へ就職し、システム開発のひよっこ技術者として社会人の第一歩を踏み出した。

 当時、仕事でファイル(ドキュメントやプログラムなど)の保管として使っていたのは、容量1.2MBの8インチフロッピーディスク(以下、FD)だったが、テキストファイルやプログラムファイルを保管する分には十分事足りていた。(FDは、後に5インチ、3.5インチと小型化されていった)

 はじめてパソコンでFDコピーを行ったときのことである。ディスプレイには「入力FDをAドライブに入れて下さい」「出力FDをBドライブに入れて下さい」と案内が表示されていた。

 わたしは、入力って入れるだからコピーされる側、出力って出すんだからコピーしてあげる側だと思い、フォーマットされたFDをAドライブに、お客様のデータが入っているFDをBドライブにいれて処理をしたら、お客様のデータが入っているFDの中身が、ダスキンでもここまで綺麗にはできないほどにまっさらにデータがなくなり、先輩からけちょんけちょんに叱られたことがあった。入力FDはコピーしてあげる側で、出力FDがコピーされる側だったのである。

 また、プログラミング言語でも同様にわたしを悩ますことがあった。COBOL(コボル)って言語があるが、使用するファイルのOPEN命令で、
・読み込みファイルは、OPEN INPUT[ファイル名]
・書き込みファイルは、OPEN OUTPUT[ファイル名]

 と、記述するのだ。「頭の中にインプットする」とは「頭の中に入れる(記憶する)」ってことでしょ。つまり、頭の中に書き込むってことで、インプット=書き込みではないか。「頭の中にアウトプットする」とは決して言わないはずだ。

 入社してしばらくは、この入力と出力の関係には翻弄されたものだった。納得できなかったなぁ・・・今でも。

 と、まぁ、こんな経緯があり、現在でもオーディオ機器の入力端子と出力端子には戸惑うオーバーアラフィフのおやじなのである。

 EX-B3に繋げる外部機器は、レコードプレーヤーの他に、ブルーレイレコーダー、テレビ、わたしのiPhoneがあったが、EX-B3の入力端子と出力端子はひとつずつ。4in1セレクターを購入して全てのセッティングは完了した。

 EX-B3は、ちっちゃいながらも重厚感ある驚くほどのとてもいい音を出しますなぁ。衝動買いした妻に感謝。

タイトルとURLをコピーしました