ぎっちょ

 SNSで、「30ぐらいの女の人に『ぎっちょなの?』って言ったら意味が通じなかった。今はぎっちょって言わないのかな?」と、投稿があり、侃々諤々とコメントは今も続いているが、炎上ではない。

 現在、ぎっちょは放送禁止用語になっているようだが、放送禁止用語だから使ってはいけないという考え方は少々短絡的かもしれない。ぎっちょの由来を調べると、差別ではなく区別として生まれた言葉に思える。

 わたしの子供の頃の友だちにも左利きがいたけど、からかったことはなく、むしろ、左利きは選ばれし子どもたちのように思えて、ちょっと魅力的でしたよ。

 ただ、モノというモノのほとんどが右利き用にできている。今わたしの頭に思い浮かぶモノだと、はさみ、カッター、包丁、鍋、住居の電源スイッチの位置、ドアノブの位置、蓋の開閉、家電製品やリモコンのスイッチの配列、ワイシャツのポケットの位置、電車の改札機のICカード認識の位置、マウスの右クリック左クリック、セロハンテープ台のテープの切り口などなど。

 昔と比べ、左利き用製品が増えてきているが、UI技術やUX研究が進んでいる現代においても、左利きの人にはまだまだ不便に感じることがあるだろう。

 以前、左利きの技術者と仕事をしたことがあったが、とても達筆な人だった。しかし、わたしが、
「書道も上手だったんじゃないんですか?」
 と、聞くと、その技術者は、
「書道は好きだったんですけど、左利きは不利なんです」
 と、答えた。

 だよなぁ、横棒一本書くのも左から右だし、文字書いている途中でも文字をはらう時でも自分の左手で文字が隠れることもあることだろうし、基本文字って右利き用に発達した感じだもんなぁ。

 その技術者は、左利きでひとつだけよかったことがあると言っていた。それは国語の授業でノートに鉛筆で書いているとき、ノートも掌の小指球(小指の下から手首までの部分)が汚れなかったこと。わたしは苦笑いをした。

 さて、冒頭で述べたとおり、わたしはぎっちょが差別用語だとは思っていない。しかし、実際に左利きの人がぎっちょと言われて不快に感じるのであれば、敢えてぎっちょは使わないのがいいのだろう。わたしも、ぎっちょという言葉を使わなくなって久しい。

 写真は、映画『プライベート・ライアン』に、左利きの狙撃手ダニエル・ジャクソン二等兵役として出演したバリー・ペッパー。かっこよかったなぁ。

ぎっちょの由来 | 左利き.com

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